町屋の歴史

町屋とは日本全国にある、伝統的な軒を連ねた都市型住居です。
平安時代には存在し、形式を変えながら現代に至っています。

奥行きが深い作りは、かつては通りに面した間口の広さに応じて税金が課せられた為といわれており、所有者は間口が狭く奥に長細い形状(いわゆる“うなぎの寝床”)に建築しました。

町屋の作りは簡単に言うと大きく3つに分かれます。

1、商業店舗 背面が居住区になっている住居兼用の店舗
2、工産業の作業場 表が居住区、背面が作業場 繊維産業などに多い
3、住居用 2階建ても多い

京町屋

古都京都は町屋の首都でもあります。
現存する有名な京町屋の殆どは、明治時代に建築され、江戸時代からの伝統を引き継ぐ意匠です。

京町屋の正面には、木製の柵「駒寄」、カーブを描く竹柵「犬矢来」がよく見られます。
これらの柵は、通る馬や車からの泥よけ、犬の排尿避け、また人が軒先に座り込むのを防ぐ役割もありました。

再開発と修復

京都は第二次大戦による焼失から無傷で残された唯一の主要都市の為、古くからの町屋が数多く残りました。しかし、1950~1960年代、現代的生活を追求する建築ブームにより多くの伝統的町屋は解体されました。

現在はこの頃に制定された建築基準法以前に建設された家屋などを、総称して京町屋と呼ぶ事が一般的になっています。

幸いなことに、この20~30年程は、「京都を守る」「京町屋を守る」を目的とした、いくつもの活動が起こり、また最近では国際的観光地として京都が脚光をあびた事で、歴史的保存が優勢になりつつあります。
最近のある調査では、京都の街で現存する町屋の数は、推定1万件未満と言われています。

町屋の宿

いくつもの町屋が、レストラン、ショップ、またホテルへと改装され現存するに至っています。

ゲストハウスとして改装された町屋の殆どには、ランドリー、Wi-Fiが設置され、キッチン設備が揃えられている所もあります。

また、より快適な居住空間を提供するゲストハウスでは、床暖房の設置やバスルームもリフォームされています。